Rebirth

 

不要となった帽子のサンプルを新たなオンリーワンに蘇らせる新プロジェクト“Rebirth”をリリースいたします。


メゾンドリリスの過去5年間の間に制作したサンプルのうち、型崩れなどでそのままでは被れなくなってしまった天然草ハットから状態の良いものを選定。
職人の手で一度 素材の状態まで解体し、新たな帽子として輝けるようにリデザインし息を吹き込むことで更に価値あるオンリーワンにアップサイクルする取り組み。
いまでは生産可能な職人が減ってしまったことで有限な資材となってしまったオールハンドメイドの天然草帽子の素材の価値をお伝えするとともに、
1点もののラインナップとなることで唯一無二の存在感があるハットに仕上げている。

1stローンチとして“ReBirth”の帽子30点をFirsthandにて限定発売いたします。

 

麦わら帽子というのは不思議な素材だなとつくづく思います。
手編みで作られた素材は一枚の平たい生地ではなく編みながら立体を作り上げていく、その素材を木型に入れて成形していろんな帽子が生まれていきます。
ミシンを使うのは内側のテープを縫い付ける時や、つばを短くしたいときだけ。

素材は天然の草が多いので割れてしまうこともあるし永く被っていたら経年がでるけど、割れてない素材はまた手をかけてあげれば違う形に成形し直して新たな帽子に生まれ変わらせることができる。
と言っても簡単ではなく、元に戻す作業と新たに作り直す作業と職人の経験が必要でかなりの手間と時間がかかってしまう。だから今までなかなか取り掛かることができなかった。

手編みなので職人さんが減って日々作れなくなる材料。こんなに可愛い透かし編みや柄編みはいつまで作ることができるんだろう。


過去に作ったサンプルも、そのまま被れるような状態の良いものはみんなお嫁に行ったけども、型崩れしたりそのままでは被れなくなったサンプルも大切すぎて手放すことができなかった。
それがこうやって新たに生まれ変わってたくさんの方に被っていただけたらこんなに嬉しいことはないです。

 

正直、“サスティナブル”という言葉自体はあまり好きではありません。
流行りになってしまうような、特別な言葉をつけなくても物作りの現場の人たちは昔から当たり前のようにやっていたことなんだなとつくづく思います。

大量生産が善とされていた時代もあったことで色々と変わってしまいましたが、肩肘張らず自然な判断ができることが一番サスティナブルなのではないかと思います(じゃないと続かないですし)。

 

 

ファッションは作る人にも、身につける人にもエモーショナルに存在するものです。
なくてもいいと言われてしまうこともありますが、あることで心が豊かに、ときに励ましてくれ、背中を押してくれるファッションが私は好きです。

その利点を生かして作り出す私達が、まずは自分にも世の中にも無理がない自然に選ぶことができるような行動を取れるようにしていきたいものです。

 

MIKA KASAI